常念山脈(長野) 前常念岳(2661.9m)、常念岳(2857m) 2023年10月28日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  2:03 三股駐車場−−2:17 三股−−4:00 2170m肩−−5:16 前常念岳−−5:58 常念岳 6:35−−7:03 前常念岳−−7:41 2170m肩−−8:26 三股−−8:34 三股駐車場

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2023年10月28日 日帰り
天候雲は多かったが晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股に第一駐車場ありだが週末は満車になることが多く、手前の第二駐車場を利用することになる
登山道の有無あり
籔の有無基本的には無しだが標高が低い樹林帯の一部では笹が足元を濡らす箇所あり
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらの山頂とも晴れれば文句なしの大展望
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コメント常念岳を三股から往復。上空に寒気が入って大気の状態が不安定で、日中ほど雨や雪に降られる確率が高いので日の出の時刻に山頂到着するよう歩いたら思ったよりもいい天気に恵まれた。先週末の降雪は山頂直下の北斜面以外はほとんど溶けて、昨日降った数mm程度の僅かな新雪があるだけで、穂高の雪も先週末より減っていた。下山ですれ違ったのは5人だけだった


常念岳から見た穂高連峰、槍ヶ岳。先週末より白さが減っていた


三股第一駐車場 林道終点。車が4台あった
三股を常念岳方面へ 森林限界の梯子
標高2450m付近。葉の上に僅かに雪が登場 安曇野、松本の夜景
前常念岳避難小屋 巻道分岐
標高2800m付近から見た常念岳 縦走路に合流
常念岳山頂 雲の上から日の出
常念岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
常念岳から見た蝶ヶ岳、テントは2張らしい 常念岳から見た槍ヶ岳。これでガスが最も薄まった時
常念岳から見た燕岳 常念岳から見た大天井岳
常念岳から見た木曾御嶽 常念岳から見た乗鞍岳、霞沢岳
下山開始 常念小屋にはテント無し
標高2800m付近 標高2700m付近
巻道は通行止めロープが張られていた 標高2680m付近
前常念岳には真新しい山頂標識あり 前常念岳直下の避難小屋
標高2620m付近 標高2620m付近から見た穂高連峰
標高2460m付近 標高2420m付近
森林限界の梯子 標高2170m肩
林道近くまで下ると紅葉がいい感じ 林道終点
林道の紅葉 落石防止の工事中
ゲートが開いていたのを初めて見た 三股第一駐車場。全容量の1/5くらいは空きがあった
三股第一駐車場から見た蝶ヶ岳の稜線


 今週後半は日本海に寒気が入って主に日本海側で大気の状態が不安定で、この状態が日曜まで続くとの予報。週末の予報もあまり芳しくなく、特に日が高くなって以降が雨の確率が高い。北アルプスでも同様であり、早朝の方が雨や雪に降られる確率は低いだろう。日曜より土曜の方が朝の天気は良さそうなので、いつものように土曜日に登ることにした。

 行先だが、予報では日本海に近いほど天気が悪いため、後立山よりは常念山脈の方が天気がマシで、風は弱く気温は標高3000mで-3℃前後で稜線歩きも問題ないので、久しぶりに常念岳に向かうことにした。ルートはもちろん三股である。今の時期は一ノ沢では支流が流れ込む場所では凍結箇所が予想され、途中でアイゼンを出すのが面倒である。そのままアイゼンを付けて登れればいいが、おそらく雪が出てくるのは常念乗越以降のはずで、それ以前では沢を通過すると乾いた登山道になるだろう。この点、三股ルートは常念小屋からの縦走ルートまではアイゼン不要だろう。というのも先週末の降雪以降は比較的好天が続き、日当たりのいい場所の雪は解けてしまったと予想されるためだ。あってもごく僅かだろう。

 先週に引き続いて三股へ。先週金曜夜は結構な台数が駐車していたが、今週は10台ほどとガラガラであった。天気予報がイマイチということもあるだろう。それでも下山時には駐車容量の4/5くらいが埋まっていた。ゲートに一番近い位置に駐車して酒を飲んで仮眠した。先週よりは気温が高く、寒さを感じず比較的快適に寝られた。

 山頂に日の出の時刻に到着するように逆算し、午前2時に出発。今の時期の日の出はおおよそ午前6時であり、常念岳は私の足では登りの所要時間は4時間である。真夏と違ってこの時刻に動き出す登山者はまだいないが、遠方からやってきてこの時刻に上がってくる車はいる。ご苦労様。今回は冬装備として6本爪の軽アイゼンとロングスパッツを持った。頭上は満天の星空で予報よりいいようだ。さて、稜線も晴れているだろうか。

 ゲートを抜けて林道を歩き終点には車が4台あり。前回も奄美ナンバーのジムニーがあった記憶があるが今日もあった。他に多摩ナンバーも。北アルプスともなると登山者だけでなく山小屋で働く人も全国区らしい。

 三股から常念岳方面へ入る。登山道には落ち葉がいっぱいで、紅葉はもう麓まで下りてきている。気温が高めなので本格的な登りが始まってすぐに半袖に変身。ただし末梢が冷えるので手袋と目出し帽を着用。前常念岳までこの格好で登った。夏場と違って途中の笹はあまり露が付いていなかった。

 標高2170m肩で傾斜が緩んで登山道には泥沼箇所が登場するが、今回は土は凍っていなかった。さらに高度を上げて樹林の隙間から安曇野や松本市街地の光が見えた。まだ頭上は星空のままだ。標高2360m付近でアルミ梯子が登場し、これを登れば森林限界を突破する。ここは南斜面なのでまだ周囲に雪は無い。西の空にも星が見えているので、どうやら常念岳山頂も晴れている可能性が高い。蝶ヶ岳の稜線が黒いシルエットで見えている。

 花崗岩が重なった急な尾根の登りは、暗い中では短い区間だがルートをよくミスるのだが、今回は真面目に古い目印を探しながら登ったら正しいルートを辿ることができた。この目印はかなり古く色褪せているので、そろそろ更新した方がいいだろう。昼間でもここでルートをミスっている登りの登山者をよく見かける。標高2450m付近からシラビソの枝に乗った僅かな雪が見られるようになったが、まだ登山道上(地面)に雪は無い

 前常念岳直下の避難小屋に到着した時点ではまだ暗い時刻。一等三角点がある前常念岳には真新しい山頂標識が設置されていた。私の記憶ではここで山頂標識を見たのは初めてだ。標識の形式は常念岳山頂と同じものであり、おそらく地元の人が作ったのだろう。ここから常念岳山頂が見えるようになるが、まだ暗い時刻でライトの光は見えない。ここからは弱いながらも北寄りの冷たい風が出てきて半袖のままでは寒くなったので、フリースの長袖を着て目出し帽の上に毛糸の帽子を追加した。私の目出し帽は風通しがいいので風がある場合は耳の冷え防止のため追加装備が必要なのであった。

 前常念岳より先では花崗岩の上に僅かながら雪が積もった箇所が現れる。このような場所は滑りやすいので足の置き場所は要注意。岩の上で滑ってコケると周囲の岩に変な場所をぶつけて思わぬ怪我をしかねない。平たい岩に足を乗せる場合は雪が無い場合のみで、雪がある場所では岩の角に足を置いた。岩陰や北斜面側では雪が残っているが、南斜面には雪は全く無かった。常念小屋への巻道入口には通行止めのロープが張られていた。

 午前5時半を過ぎると徐々に明るくなり星が見えなくなると、頭上は思ったより雲が少なく晴れていて予報より天気がいい。しかし東の空の低い位置には背の高い雲が覆っていて、今日はきれいな日の出にはならないだろうし、日が出てくる時刻は遅くなりそうだ。東の空の雲の影響でライト不要な明るさになったのは午前5時40分くらいであった。常念岳山頂にはまだ光は見えず、もしかしたら私が一番乗りかもしれない。

 前常念岳〜縦走路合流までは登山道にハイマツがはみ出す区間があり、雨の直後などは濡れたハイマツで足回りが濡れてしまうが、今の時期はこの標高は雨ではなく雪になるのでハイマツは濡れていなくて助かる。今回は雪はほとんど乗っておらず霜が降りて真っ白に凍っていたので、これまた濡れることはなかった。

 常念小屋から上がってくる縦走路に合流。ここまでは登山道にはほぼ積雪は無かったが、ここから山頂までは北斜面に登山道が付いているので雪に覆われている。しかも僅かな新雪の下の踏み固められた雪はツルツルで、登りは雪の上に頭を出した石を利用したりしてどうにかノーアイゼンで歩きとおしたが、下りではアイゼンを出した。昨年は同じ状況でノーアイゼンで下ったら滑って足を岩にぶつけて痛い思いをしたからなぁ。

 計画通り午前6時に山頂に到着。まだ無人で常念小屋に通じる登山道にもまだ人の姿は無かった。山頂もここまで同様に日が当たる場所の雪は消えていて、日陰に僅かに雪が残っていた。穂高の雪は先週より確実に減っていたが、今週は槍穂の稜線は雲に覆われて見えなかった。風は弱い北寄りで、この程度の風では槍穂ではエビのしっぽはできていないかも。裏銀座も雲に隠れて見えないが、その手前の横通岳以北の常念山脈は南斜面を含めて僅かに白くなっていた。餓鬼岳、唐沢岳の奥に位置する蓮華岳、針ノ木岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳等は雲がかかっていて、すそ野は見えていたが稜線は見えなかった。今回は爺ヶ岳にしなかったのは正解だった様だ。

 北信の山々や志賀高原の山々は雲に隠れて全く見えず、浅間山がかろうじて見えるだけ。でも奥秩父、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスは良く見えていて、今日は南の方が天気がいいのは予報通り。木曾御嶽、乗鞍岳は山頂付近に雲が絡んでいたが白い姿が見えていた。

 今日は調子がイマイチで思ったより疲れたので風を避けながら山頂で休憩。このまま出発まで無人かと思ったら、常念小屋に宿泊したと思われる関西弁の男女のペアが登ってきた。今日はすごくいい天気というわけではないがガスられることは無く、展望はそこそこ楽しめるので良かっただろう。約30分の休憩中に山頂に上がってきたのはこの二人だけだった。

 休憩を終えて下山開始前にアイゼン装着。三股分岐までの短い距離しか使わなかったが大いに役立った。何せこの日の登山靴は防水性能が劣化して靴底もほぼ摩耗した古い登山靴だったから、アイゼン無しでは良く滑る。雪が少なかったし、雪がある標高では気温が低く雪が溶けなかったので、靴が浸水することはなかった。

 三股分岐で縦走路と分かれて大岩で登山道が稜線南側に移って風が避けられる場所でアイゼンを脱ぐ。この先はもうアイゼンの出番は無い。前常念岳への稜線にはまだ人の姿は見えないが、前常念岳手前で本日初めての登りの登山者とすれ違った。真夏の時期だとここまでで何人もとすれ違うのが常だが、秋も深まってくると登山者の数が減ってくるし、暗い時間から歩き出す人も減る。

 避難小屋から先は花崗岩の急な下りでは滑らないよう行動は慎重に。ここで2人目とすれ違ったが、この人はルートを外して登っていたので接近することはなかった。やはり目印は更新、増強すべきだろう。森林限界を割る前に見納めの穂高を振り返ったが、常念岳山頂と同じで前穂は見えていたが奥穂には雲がかかったままだった。

 梯子を下って森林限界を割ると展望は無くなってひたすら下っていくのみ。夏と違って大汗をかくことはないので快調だが、調子に乗り過ぎて途中で足がもつれてコケてしまい、左膝付近に数か所のひっかき傷ができてしまった。それでもこけた場所は土の露出が少なく草に覆われていたので泥だらけにならずに済んだ。この時に左膝の古傷を少し痛めてしまいペースダウン。左膝の大怪我からもう2年と1ヵ月が経過するが、100%元の状態に戻ることはないようだ。特にコケるときに膝をひねるような動作が入るとダメらしい。

 三股に到着。山頂からここまでにすれ違った登りの登山者は僅か5人だけと真夏とは比較にならないほど少なかった。林道に入っても登山者の姿は無く、落石防止の工事業者の姿があるのみ。林道の真ん中にトラックを止めて工事用資材をユニックで吊り下ろしていた。これから作業員が崖に取り付いて作業を行うのだろう。トラックは荷下ろし後は林道を出るようでゲートは開けっ放しになっていた。ちなみにここのゲートが開いているのは初めて見た。

 到着した三股第一駐車場はまだ空きが目立ち、駐車場を出るときに確認したら駐車容量の1/5くらいは空いていた。夏場ならよほどの悪天でない限りは満車になるのだが。当然ながら第二駐車場には車は無かった。第一駐車場の公衆トイレで大の方をしようと思ったら水が止まっているようでペットボトルが何本も置いてあり、これで流すように張り紙があった。しかし便器には水が溜まっていて使う気にはなれず、まゆみ池まで下って古いトイレで用を済ませた。三股第一駐車場のトイレが冬季閉鎖される日は近いかもしれない。

 

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